
中東って「暑くて乾燥してる」ってイメージが強いと思いますが、それだけじゃ語りきれないんです。結論からいってしまえば、中東には「砂漠気候」だけでなく、地中海性気候や高山気候など5つの気候区分が存在していて、地域ごとにけっこう気候の差があるんです。この記事では、中東の代表的な5つの気候帯について、それぞれの特徴をわかりやすく整理してみましょう!
中東は乾燥した地域が多いけど、じつは海沿い、山岳地帯、高地などによって気候が少しずつ変わってくるんです。ここでは代表的な5つの気候をピックアップして紹介していきます。
サウジアラビア、イラク南部、エジプト東部などが代表的。降水量は年間100mm以下、夏は50℃近くまで気温が上がることも。昼夜の寒暖差も激しく、農業にはかなり厳しい環境です。
イラン高原、シリア内陸部、トルコ東部などに見られます。砂漠気候より少し雨が降るため、牧畜や限定的な農業が可能です。気温もやや穏やかで、人の定住がしやすい地域になります。
レバント沿岸部(イスラエル、レバノン)、トルコ西部などがこのタイプ。夏はカラッと暑く、冬は温暖で雨が多いというメリハリのある気候。オリーブやブドウなどの果樹栽培がさかんです。
イラン北部のザグロス山脈、トルコ東部の山岳地帯では、高地の影響で気温が低くなり、夏でも涼しく、冬は積雪も見られます。農業や牧畜の形もここでは独特です。
チグリス川・ユーフラテス川流域やナイル川上流部など、一部の水源地帯では気候というより「灌漑のある暮らし方」が自然を変えています。川があることで農業が成立し、人が定住できるんです。
これだけバリエーションがあると、当然そこで暮らす人たちの生活や文化にも大きな違いが出てきます。中東の気候は、人の暮らし方をがっつり決めてきた存在でもあるんです。
水がある場所=都市の成立地点。バグダッドやカイロなどの大都市も、川沿いのオアシス的な場所に築かれました。気候というより、水の存在が命を支えてきたんですね。
ステップや砂漠では遊牧生活、地中海性気候では定住と農業が主流になります。この気候差が、文化や価値観の違いを生んでいる面もあるんです。
中東の気候って、「全部砂漠でしょ?」と思いがちですが、実は5つもの気候帯が重なっている、多様で複雑な自然環境なんです。気候を知ることで、その土地の暮らし方や歴史がより深く見えてくる。そんな視点で中東を眺めてみると、新しい発見があるかもしれませんね。