アジアに宗教がやたら多い理由とは?

アジアって、地図で見るととにかく広いんですが、それ以上に目立つのが「宗教の多さ」です。仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教、さらには儒教やゾロアスター教まで…。なんでこんなにいろいろあるの?って不思議に思ったこと、ありませんか?
結論からいってしまえば、アジアは地理的にも文化的にも多様すぎるくらい多様で、宗教が自然とたくさん生まれて根づく土壌があったから なんです。この記事では、そんなアジアと宗教の深い関係を、地理・歴史・文化という3つの視点から見ていきます!

 

 

宗教が生まれる背景ってどんなもの?

まずは、「宗教ってそもそもどうやって生まれるの?」ってところから考えてみましょう。じつは、自然環境や人々の暮らしと密接に関係しているんです。

 

自然への畏れや感謝から始まる

モンゴルのシャーマンがドラムを持っている様子

太鼓を演奏するモンゴルのシャーマン

出典:Photo by Wellcome Library, London / CC BY 4.0より

 

アジアの多くの地域では山や森、川、海がすぐ身近にあります。そういった自然に対する畏れや感謝の気持ちから、神様や精霊の存在を信じるようになったんですね。

 

生活スタイルが多様だった

農耕、牧畜、漁業、交易など地域によって暮らし方が全然違うのもポイント。雨がほしい農村と、羊を追う遊牧民では、必要とする「祈り」も変わってきますよね。だからこそ、それぞれ独自の信仰が生まれていったわけです。

 

アジアは文明の発祥地が多すぎる

モヘンジョダロ遺跡の発掘された遺構

インダス文明最大級の都市遺跡モヘンジョダロ

出典:Photo by Nikesh chawla / CC BY-SA 4.0より

 

アジアは古代から人が集まりやすい場所だったんです。文明が発展すれば、当然そこから宗教も出てくる。アジアの宗教の多さは、その「歴史の長さ」と無関係ではありません。

 

宗教のルーツがいっぱい

たとえばインダス文明・メソポタミア文明・黄河文明など、アジアには古代文明の発祥地がたくさんあります。そこから自然と宗教的な思想も生まれてきたんです。

 

伝統思想と宗教の境界がゆるい

中国の儒教や道教、インドのジャイナ教や仏教など、思想と宗教のあいだがはっきり分かれていないケースもあります。だから「宗教」というよりも「生き方の哲学」みたいに受け取られているものも多いんです。

 

交流と対立が重なった歴史

アジアは広いぶんだけ、いろんな民族が動いて、ぶつかったり交わったりしてきました。宗教もその中でぶつかり合い、変化し、広がっていったんです。

 

交易ルートが宗教も運ぶ

仏教の伝播ルートを示した地図

仏教の伝播ルートを示した地図

出典:Photo by Gunawan Kartapranata / CC BY-SA 3.0より

 

有名なシルクロードや海の道は、物だけじゃなく宗教も運びました。仏教がインドから中国、日本へ広がったのもこの流れ。イスラム教もインドネシアにまで届いています。

 

異なる宗教が共存してきた

アジアには複数の宗教が同じ地域に存在することも多くて、お互いに影響し合ったり、時には対立したりしてきました。これがまた、新しい宗教の分派や文化的融合を生んでいったんです。

 

現代のアジアにも残る多様性

今のアジアを見ても、宗教の多様性はそのまま生き続けています。それぞれの国で、伝統と現代がうまく共存しながら、独自の宗教観が育まれているんです。

 

宗教の融合とローカル化

たとえばタイ仏教バリ・ヒンドゥーのように、元は同じ宗教でも地域ごとにすごく特徴が出てくるんです。現地の文化や風習とうまく混ざって、別物みたいになってることもあります。

 

宗教が文化そのものに

ラマダン期間中のスーダン・ハルツームのシアダ・サンホリー・モスクでのタラウィー礼拝の様子

ラマダン期間中のスーダン・ハルツームのシアダ・サンホリー・モスクでのタラウィー礼拝の様子

出典:Photo by ASIM / CC BY-SA 4.0より

 

アジアの宗教って、信じる・信じないの話だけじゃなくて、年中行事や生活習慣そのものに組み込まれているんですよね。たとえば正月に初詣に行くとか、ラマダンやディーワーリーを祝うとか。それも宗教の力なんです。

 

アジアに宗教が多いのは偶然じゃなくて、地理・歴史・文化のぜんぶが関係しているんです。それぞれの土地に、それぞれの人たちの暮らしや考え方があって、そこから自然と宗教が生まれていったんですね。「多すぎる」っていうより、「それぞれの必然があった」と思うと、なんだか納得できる気がしませんか?