
中央アジアって、なんとなく「アジアの真ん中あたり」ってイメージがありますよね。でも、「中央アジアって結局どこの国のこと?」と聞かれると、意外と答えるのがむずかしいかもしれません。
結論からいってしまえば中央アジアとは、カザフスタン・ウズベキスタン・キルギス・タジキスタン・トルクメニスタンの5か国を指す地域なんです。それでは、このエリアの地理的・文化的な特徴を見ていきましょう!
国際的に「中央アジア」と言うと、主に旧ソビエト連邦に属していた5か国を指します。これらはすべて1991年に独立を果たした国々です。
国際的に「中央アジア」と呼ばれる地域に含まれるのは、以下の国々です。
![]() ウズベキスタン |
![]() カザフスタン |
![]() キルギス |
![]() タジキスタン |
![]() トルクメニスタン |
この5か国は「スタン(=「〇〇族の土地」や「〇〇地方」という意味)」で終わる国々ということで、あわせて“スタン諸国”と呼ぶことも(キルギスはソ連時代の名称が「キルギスタン」)ありますが、「中央アジア」という地理用語としてはこの5つが基本構成です。
北はロシア、東は中国(新疆ウイグル自治区)、南はアフガニスタンとイラン、西はカスピ海に接しており、ユーラシア大陸のど真ん中に位置します。
『They are triumphant(彼らは勝利を祝う)』/1872年
中央アジアのサマルカンド、レギスタン広場での勝利の祝賀を描いた絵画。シルクロードの東西交易のハブとしての歴史的背景を示している。
出典:Photo by Vasily Vereshchagin / Public domainより
単に地理的な中心というだけでなく、中央アジアは昔からさまざまな文明が行き交う交差点だったんです。
古代から中世にかけて、中央アジアは東西交易のハブ。サマルカンドやブハラなどの都市は、イスラム・中国・ペルシャ・ヨーロッパが交差する重要拠点でした。
民族的にはトルコ系(カザフ、キルギスなど)とペルシャ系(タジク)が中心。さらにソ連時代を経たことで、ロシア語やロシア文化の影響も強く残っています。
アフガニスタンや新疆ウイグル自治区を含む広義の中央アジアの地図
出典:Map of Central Asia.svg / CC BY-SA 3.0より
学問や国際政治の分野では、中央アジアの定義がやや広がることもあります。
文脈によっては、アフガニスタン、西中国の新疆ウイグル自治区、イラン北東部なども「中央アジア的」な性格を持つとして含めることがあります。これを“広義の中央アジア”と呼ぶこともあります。
ただし、国際機関や報道、学術用語ではやはり5か国のみを「中央アジア」とするのが標準です。混同しないように注意が必要ですね。
中央アジアは、地図の真ん中にあるだけじゃなくて、文化・民族・歴史の真ん中でもあった地域なんです。定義としては5か国が基本ですが、そこに重なる交易・宗教・言語の広がりを知ることで、この「中央」の意味がぐっと深く見えてくるはずです。