東アジアに多い宗教って?宗教分布と割合、共通の特徴について

東アジアの人たちは、みんな同じ宗教を信じているのかと思いきや、実はそうじゃないんです。見た目や文化が似ていても、信じているものや宗教への考え方にはけっこう違いがあります。結論からいってしまえば、東アジアは儒教・仏教・道教が歴史的に根づきつつも、国ごとに宗教の分布や信仰のスタイルがかなり異なるんです。今回はその宗教分布と、おおよその割合を見ていき、最後に共通してみられる特徴についても少し触れておこうと思います。

 

 

東アジアで広く見られる宗教

東アジアの宗教と言えばパッと浮かぶのが仏教。でも、それだけじゃありません。生活の中に根づいた伝統宗教や思想も含めて、複数の信仰が共存しているのがこの地域の特徴なんです。

 

仏教:広範に広がる共通の宗教

中国、日本、韓国、ベトナムなどで広く信仰されています。中国では道教とミックスされた形、日本では神道と並び、韓国ではキリスト教との併存など、国によってスタイルが異なります。

 

儒教:宗教というより「生き方」

中国発祥の思想体系で、神様に祈るというよりも「人としてどう生きるか」を教える道徳的な枠組み。韓国では儒教の礼儀や家父長制が社会の土台になっている面も強いです。

 

道教:中国文化に根づく民間信仰

中国特有の宗教で、仙人、陰陽、気などを重視します。占いや風水、お札などのイメージも道教由来。都市よりも地方の伝統社会に今も根強く残っています。

 

国ごとの宗教分布と信仰率

では、具体的に東アジア各国では、どんな宗教がどのくらい信じられているのか?おおよそのデータに基づいて、ざっくりと見てみましょう。

 

中国:宗教混合型&無宗教多数

中国では仏教、道教、儒教、民間信仰が入り混じっている状態。一方で「無宗教」と答える人も多く、推計では宗教を信仰しない人が50%以上という調査もあります。

 

日本:神道+仏教のハイブリッド

約70%の人が仏教・神道の行事に関わるとされますが、自分を「信者」として意識している人は少なめ。葬式は仏教、正月は神社、というように習慣として宗教行事をこなす人が多いのが特徴です。

 

韓国:キリスト教と仏教が二大勢力

意外かもしれませんが、キリスト教徒(約28%)が仏教徒(約15%)より多いと言われています。一方で無宗教の人も約50%。儒教は制度や価値観として根づいていますが、信仰の対象にはなりません。

 

モンゴル:チベット仏教が中心

チベット仏教(ラマ教)が最も多く、全体の50〜60%を占めます。遊牧民の生活文化と結びついた信仰スタイルで、僧侶の社会的地位も高いです。

 

台湾:信仰のミックスカルチャー

仏教・道教・民間信仰が融合した独特の信仰文化があり、80%以上が何らかの宗教行事に関わっているとされます。廟(びょう)文化が地域社会に深く根づいているんです。

 

東アジアの宗教観の共通点

こんなふうに宗教は違っても、東アジアの人々の“宗教観”には似ているところがたくさんあります。信仰の対象というよりも、生活習慣や文化の一部として受け入れられていることが多いんです。

 

宗教=生活の一部という考え方

祝日、祭り、年中行事などを通じて宗教が生活に入り込んでいます。「宗教を信じている」というより「行事として大切にしている」というスタイルが主流です。

 

複数の信仰が共存する柔軟性

神道と仏教、儒教と道教など、複数の宗教や思想が重なって共存するのが東アジア流。「お守りもらって、お墓参りして、教会で結婚式」なんてことも自然に受け入れられています。

 

東アジアの宗教って、ひとつに決めつけられないくらい多様で柔軟。それぞれの国で主流の宗教は違っても、日常の中で静かに根づいているという点では共通しています。「何を信じているか」よりも「どう暮らしているか」が宗教そのものなのかもしれませんね。