
東南アジアって、旅してみると「え、この国でも英語じゃないの!?」なんてことがよくあるくらい、言語の種類がとにかく豊富なんです。結論からいってしまえば、東南アジアには700以上の言語が存在し、国ごとに多言語社会が当たり前のように広がっているんです。この記事では、その数、分布、割合などを整理しながら、東南アジアの言語事情をまるっと紹介していきます!
東南アジアの言語事情をざっくりまとめると、「一国一言語」どころじゃないんです。地域によっては一つの村で数種類の言語が使われていることも!
ユネスコやEthnologueの調査によると、インドネシアだけで700言語以上、フィリピンは180以上、ミャンマーやタイ、ラオスにも多数の少数言語があります。全体で800を超える可能性もあると言われています。
たとえばマレーシアではマレー語・中国語・タミル語・英語が併用されていて、フィリピンでもフィリピン語(タガログ語)+地方言語+英語という使い分けが一般的。日常と公式の言語が違うなんてことも珍しくありません。
それでは国ごとに、代表的な言語と使用人口・特徴を見ていきましょう。言語の背景を知ると、その国の文化や社会の成り立ちも見えてきますよ!
国名 | 公用語 | 主な使用言語 | 備考 |
---|---|---|---|
インドネシア | インドネシア語 | ジャワ語、スンダ語、バリ語など | 700以上の言語を統一するために国語として制定 |
フィリピン | フィリピン語(タガログ語)、英語 | セブアノ語、イロカノ語など | 公教育・政府は英語併用。地方では別言語も使用 |
ベトナム | ベトナム語 | モン語、クメール語、チャム語など | 表音文字(クオック・グー)を使用 |
タイ | タイ語 | イーサーン語(ラオス語に近い)、カレン語など | 北部・東北部で地方言語の使用率が高い |
ミャンマー | ビルマ語 | カレン語、シャン語、モン語など | 135以上の民族言語が認定されている |
マレーシア | マレー語 | 中国語(広東語・福建語等)、タミル語、英語 | 多民族国家で言語教育も分かれている |
シンガポール | 英語、マレー語、中国語、タミル語 | − | 4言語すべてが公用語。教育では英語中心 |
カンボジア | クメール語 | − | 民族的には比較的単一 |
ラオス | ラオ語 | モン・クメール語族の言語多数 | 地方では少数民族語が多く使われている |
ブルネイ | マレー語 | 英語、中国語、ビサヤ語など | 教育や商業では英語の使用が一般的 |
東ティモール | テトゥン語、ポルトガル語 | インドネシア語、他土着語 | ポルトガル植民地時代の影響が残る |
言語が多いってことは、文化の豊かさでもある一方で、政策面や教育、アイデンティティの面でいろんな課題も出てくるんです。
家庭では地方言語、学校では国語や英語というギャップが、学力格差の原因になることも。言語教育の工夫が求められています。
若者の都市化・標準語志向によって消滅の危機にある言語も多く、近年では言語保存運動や辞書作成などが各国で始まっています。
東南アジアの言語は、まさに「多様性の縮図」。数が多いだけでなく、それぞれが民族、宗教、歴史、政治とつながっていて、知れば知るほど面白い世界が広がっています。言葉の背景にある人々の暮らしに目を向けてみると、地域への理解もぐっと深まりますよ。