
中東ってニュースや教科書でよく聞くけど、「結局どの国のこと?」って聞かれると、ちょっとあいまいなまま使っていませんか?結論からいってしまえば、「中東」はヨーロッパから見た“東の中間地点”を指す歴史的・地政学的な呼び名で、明確な国境線はないけどだいたい15〜20カ国が含まれる広い地域なんです。この記事では、その範囲、呼び名の由来、そして定義の揺れについて見ていきましょう。
「中東(Middle East)」という呼び名、じつはけっこう西洋目線なんです。東アジアや南アジアと違って、地理的な境界というよりも、国際政治や軍事、安全保障の文脈で使われてきた言葉なんですよ。
ヨーロッパから見て「極東=東アジア」「近東=バルカン半島やトルコ西部」「中東=その中間」という発想で作られた言葉です。なので「中東」はアジアの一部でもあり、アフリカやヨーロッパにも接しているんです。
20世紀初頭のイギリス軍やアメリカ政府によって、中東は「戦略的に重要なエリア」として明確に使われるようになりました。特に石油やスエズ運河、パレスチナ問題などが背景にあります。
では、実際に中東に含まれる国はどこなのか?これは定義によってちょっとずつ変わりますが、おおむね以下のような国々が含まれます。
サウジアラビア、イラン、イラク、イスラエル、シリア、ヨルダン、レバノン、クウェート、UAE、オマーン、カタール、バーレーン、イエメンあたりは、ほぼ間違いなく中東に含まれます。
トルコ(地理的には一部ヨーロッパ)、エジプト(北アフリカだがアラブ圏)、アフガニスタン、パキスタンなども、場合によって中東に含まれることがあります。とくに外交や安全保障の文脈では柔軟に使われがちです。
「中東」と「西アジア」、どちらも似たような範囲を指す言葉ですが、使い方にちょっと違いがあります。ここではその違いをざっくり整理してみましょう。
欧米の外交用語・戦略用語として生まれた「中東」は、国際ニュースや軍事戦略の中で使われることが多く、定義が柔軟なのが特徴です。
アジアの西端にある地域を指す「西アジア」は、より学術的・地理的な用語。国連などでは「中東」よりも「西アジア」という表現を使うこともあります。
中東の国々は、地理的にはバラバラに見えても、宗教(イスラム)、言語(アラビア語)、文化(アラブ・ペルシャ・トルコ系)といった共通項が多く、それが「ひとつの地域」としてまとめられる背景になっています。
スンニ派とシーア派の違いはあれど、中東全体にイスラム文化が深く根づいています。宗教行事や法体系、日常の生活習慣にまで影響を与えています。
アラビア語を話す国が多く、「アラブ世界」としての共通認識も強いです。とはいえ、イラン(ペルシャ系)やトルコ(トルコ系)は非アラブ国家なので、文化の幅はかなり広いです。
中東という言葉は、地理的な枠組み以上に、歴史や宗教、政治的な背景とセットで生まれた概念なんです。「どこからどこまで?」と一言で言い切るのが難しいからこそ、そのあいまいさを理解するのが大事。ニュースを見たり国際問題を考えるとき、「中東=この国々」って決めつけず、文脈に応じた見方ができると、一歩深い理解に近づけるかもしれませんね。