東南アジアのお茶文化|なぜ甘いの?よく飲まれているお茶は?

お茶というと、日本では緑茶やほうじ茶のように「渋み」を楽しむイメージが強いかもしれません。でも、東南アジアではお茶=甘い飲み物というのが一般的なんです。氷たっぷりのミルクティーや、コンデンスミルク入りのこってり甘いお茶が大人気で、暑い気候の中でゴクゴク飲めるスタイルが愛されています。

 

この記事では、そんな東南アジアのお茶文化について、「なんで甘いの?」という素朴な疑問から、各国でよく飲まれている種類まで、身近な視点から掘り下げていきますよ。

 

 

東南アジアのお茶ってなんで甘いの?

まずは一番気になるポイント、「なんでそんなに甘いの?」という疑問。これ、ちゃんと理由があるんです。

 

ひとつには、暑い気候と関係があります。甘いお茶はエネルギー補給にもなって、水分と糖分を同時に摂れるから重宝されてきました。また、氷で冷やして飲むスタイルが主流なので、味が薄まるのを防ぐために最初から甘くしておくのが定番なんです。

 

さらに、もともとヨーロッパの植民地だった国が多いこの地域では、紅茶文化が早くから入ってきていて、イギリス式の砂糖+ミルクが定着した背景もあるんですよ。

 

よく飲まれている代表的なお茶たち

「甘いお茶」と一言でいっても、東南アジア各国には独自のスタイルがあります。それぞれの国で人気のお茶を見ていきましょう!

 

 

東南アジアの代表的なお茶
  • テ・タリ(マレーシア・シンガポール):ミルクと紅茶を高い位置から注ぎ合う甘いミルクティー
  • チャー・イェン(タイ):オレンジ色が特徴のタイ風アイスミルクティー
  • チャー・ダー(ベトナム):砂糖入りの冷たい緑茶や紅茶
  • サーバー・チャー(ミャンマー):煮出し式の濃いミルクティー
  • テー・スス(インドネシア):コンデンスミルク入りの甘〜い紅茶
  • ストリートハーブティー(カンボジア):砂糖とハーブの香り豊かな健康志向ティー

 

どれも気温の高い国ならではの冷たさと甘さがポイントで、暑さを和らげてくれるドリンクとして親しまれています。

 

マレーシアとシンガポールの「テ・タリ」文化

テ・タリ」は、マレー語で「引っぱったお茶」って意味なんですが、これ実は空中で注ぎ合って泡立てるというユニークな作り方があるんです。

 

甘い紅茶にエバミルクやコンデンスミルクを加え、高い位置から何度も注ぎ直して、ふわっとした泡を立てて完成。味だけでなく、パフォーマンスとしても楽しいのが魅力です。

 

オレンジ色が目印!タイのチャー・イェン

タイで定番なのが「チャー・イェン」。見た目はちょっとびっくりするくらいの濃いオレンジ色で、これ、実はタイ紅茶に含まれる着色料なんです。

 

味はしっかり甘くて、ミルクと合わせることでまろやかに。たっぷり氷を入れて飲むのが主流で、屋台やカフェの定番ドリンクになっています。

 

ベトナムのチャー・ダー:緑茶も甘くする?

ベトナムでは「チャー・ダー」というスタイルが人気。これは冷たい緑茶や紅茶に砂糖を加えたものなんですが、日本の緑茶とは全然違っていて、甘い緑茶は初体験の人も多いはず!

 

また、ベトナムには「チャー・スアー(ミルクティー)」や「バブルティー」もあり、カフェ文化と合わさってどんどん進化しています。

 

インドネシアのテー・ススはとにかく甘い

インドネシアでは「テー・スス」というコンデンスミルクたっぷりの紅茶が定番。味は濃厚で、スイーツ感覚で飲む人も多いです。

 

地方によってはジンジャーなどのスパイスを加える「テー・スス・ジャヘ」もあって、ちょっと身体にやさしい味わいになります。

 

ミャンマーの濃いミルクティー「サーバー・チャー」

ミャンマーでは、お茶はほとんどが「サーバー・チャー」というミルクティースタイル。濃く煮出した紅茶にエバミルクを混ぜて、カップ一杯で満足感たっぷりの味に仕上げます。

 

お店によって配合が違うので、「今日はどこのお茶にしよう?」と飲み比べを楽しむ人も多いんです。

 

ハーブティーやローカル茶の文化も

東南アジアでは、ハーブティー花茶も根強い人気があります。カンボジアやラオスでは、地元で採れる葉っぱや花を乾燥させてお茶にするスタイルもあって、見た目も香りも癒やされるものが多いです。

 

これらは甘くないタイプが主流で、健康志向の人や、薬草としての利用も含めて親しまれています。

 

お茶の味に国民性って出るもので、東南アジアでは「甘さ」と「涼しさ」がセットのスタンダードなんですね。暑い地域ならではの工夫が詰まったお茶たちは、どれもその土地の生活に根ざしたものばかり。旅行に行ったら、ぜひ現地のお茶を一杯、味わってみてください♪