東アジアの気候的特徴とは?6つの気候区分を抑えよう

東アジアって、一年中暑い国もあれば、雪がどっさり降る場所もあるし、雨が多いところもカラカラのところもあって、「これが東アジアの気候です!」ってひとことで言いにくいですよね。結論からいってしまえば、東アジアには6つの気候区分が存在し、地域によってまったく異なる自然環境が広がっているんです。この記事では、その6つの気候帯の特徴をわかりやすく整理して、東アジアの気候の全体像をつかんでいきましょう。

 

 

東アジアに見られる6つの気候帯

東アジアのケッペン気候区分図(1991-2020年)

出典:Beck et al. / CC BY 4.0より

 

東アジアは広大なエリアなので、気候も場所によってガラッと変わります。海沿いの都市と内陸の高地、北の寒冷地と南の熱帯…それぞれの気候にはそれぞれの暮らし方や文化があるんです。まずはこの6つの気候区分をおさえておきましょう。

 

@ 温帯湿潤気候(Cfa):日本の本州や中国南部

 

四季がはっきりしていて、夏は蒸し暑く冬は比較的寒いのが特徴。梅雨や台風など、雨の多い季節もあります。農業が盛んで、お米や野菜の栽培にぴったりの地域です。

 

A 温帯冬季少雨気候(Cwa):中国内陸部や韓国南部

Cwaに属する中国・湖北の蓮畑

 

夏は湿っていて暑く、冬は乾燥して寒いという典型的なモンスーン気候。雨季と乾季がくっきり分かれているため、水資源の管理がとても重要になります。

 

B 亜寒帯湿潤気候(Dfa/Dfb):中国東北部や韓国北部

 

冬はかなり冷え込み、雪も多い地域です。春と秋が短く、夏もわりと湿気があります。寒冷地農業や耐寒性のある森林が広がっていて、自然の厳しさと豊かさが同居しています。

 

C 乾燥帯(BW・BS):中国西部やモンゴル南部

乾燥帯に属する新疆ウイグル自治区

 

雨がほとんど降らず、昼と夜の寒暖差が大きいのが特徴。草原や砂漠が広がっていて、遊牧文化が発展したのもこの環境が背景にあります。農業には不向きですが、放牧には適しています。

 

D 高山気候(H):チベット高原やヒマラヤ周辺

高山気候に属するチベット高原の仏教寺院

 

標高が高く、年間を通じて気温が低い地域。昼間は暑く夜は寒いこともあり、空気が薄いため人間の生活にも制限があります。それでも独自の文化や信仰が根づいている場所です。

 

E 熱帯モンスーン気候(Am):中国南端や台湾南部

中国最南端の海南島

 

年間を通して気温が高く、雨季と乾季が分かれているのが特徴。熱帯果物や米の二期作など、温暖湿潤な気候を活かした農業が盛んです。台風の通り道でもあるので、防災も重要なテーマです。

 

気候が文化や暮らしに与える影響

気候はただの「天気の傾向」ではありません。どんな作物が育つのか、どんな服を着るのか、どんな住まいにするのか――全部、気候によって変わってくるんです。ここでは、東アジアの気候と生活文化の関係に注目してみましょう。

 

農業と食文化への影響

お米文化が定着している地域は、だいたい温帯湿潤やモンスーン気候。逆に小麦や乳製品中心の文化は、乾燥地や寒冷地に多く見られます。味の濃さやスパイスの使い方にも気候の差がにじんでいます。

 

衣類や建築の工夫

湿度が高い地域では風通しを重視した服や建物、寒冷地では保温性や断熱を意識した生活様式が発達しました。チベット仏教の僧衣やモンゴルのゲルなど、気候に根ざした工夫が今も息づいています。

 

東アジアはひとつの地域とは思えないほど、気候のバリエーションが豊かなんです。だからこそ、その土地の文化や暮らしを理解するときは、「どんな気候で育まれてきたのか?」に目を向けると、より深く知ることができますよ。気候って、ただの天気じゃなくて、文化を形づくる土台なんですね。