
東アジアって、都会のイメージが強いかもしれませんが、実はその大部分を占めているのは山、川、平野、砂漠、そして高原などのバリエーション豊かな自然環境なんです。結論からいってしまえば、東アジアの自然環境は「山が多く、河川が長く、東西で気候と地形のコントラストが大きい」のが特徴なんです。この記事では、そんな東アジアの地形的なポイントと、それが人々の暮らしや文化にどう影響しているかを見ていきましょう。
まず注目したいのが、東アジアの「山の多さ」です。平野が広がるイメージを持ちがちですが、実はほとんどが山地や高原で占められていて、人の住める場所は意外と限られているんです。
ヒマラヤ山脈やチベット高原、崑崙山脈、秦嶺山脈など、東アジアには標高の高い地形がずらり。特に中国西部やモンゴル南部には広大な高地が広がっています。
日本は約70%が山地でできていて、平野は沿岸部に少しあるだけ。これは暮らしやすい土地が限られていることを意味し、都市が沿岸部に集中する理由のひとつでもあります。
次に注目したいのが、豊かな河川ネットワークです。東アジアの文明や都市は、ほとんどが川のほとりで育ってきたと言ってもいいくらい、川が重要な役割を果たしてきました。
黄河は北方の大河、長江は南方の母なる川として、中国文明の形成に大きな影響を与えました。どちらも流域に肥沃な平野を生み、古代から人口の集中地となっています。
漢江(韓国)や鴨緑江、信濃川や利根川(日本)なども、その流域に都市や農村が形成されてきました。農業、交通、防災など、川の存在が社会のかたちを決める要因になっています。
東アジアには湿潤な地域もあれば、全く雨の降らないような乾燥地帯もあって、本当に地形が豊か。場所によってまったく違う顔を見せてくれるんです。
モンゴル南部から中国北部にかけては、ゴビ砂漠や黄土高原といった乾燥地帯が広がります。ここでは遊牧文化が発展し、農業とは違った暮らし方が根づいています。
中国東北部や朝鮮半島北部では、ステップ(草原地帯)から森林地帯へのグラデーションが見られます。これは気温や降水量のちょっとした差が、大きな植生の違いにつながるという証拠でもあります。
ここまで見てきたように、東アジアの自然環境は実に多彩。だからこそ、人々の暮らし方や文化、経済活動にも、その地形の特徴が色濃く反映されているんです。
長江下流域、日本の関東平野、韓国の西海岸地域など、比較的平らで水の確保しやすい場所では、稲作が盛んになりました。モンスーン気候との相性もバッチリなんです。
台風、地震、洪水、干ばつなど、自然災害も多い東アジア。だからこそ堤防や棚田、地震に強い建築など、自然と共生するための技術や知恵が各地で発展しました。
東アジアの地形や自然環境は、見れば見るほどバリエーション豊かで、人々の暮らしにも大きな影響を与えてきました。山あり川あり砂漠ありのこの地域を理解するには、地図を見るだけじゃなくて、「どんな風に暮らしてきたのか」をセットで考えることが大事かもしれませんね。