
東アジアって昔は「農業の地域」ってイメージが強かったかもしれませんが、今では世界を代表する工業大国がズラッと並んでるんです。結論からいってしまえば、東アジアでは「重工業」「電子工業」「繊維・日用品」「先端技術産業」など、国によって得意分野が分かれる形で多様な工業が発展しているんです。それぞれの国がどんな工業を得意としてきたのか、特徴とともに見ていきましょう!
「重工業」とは、鉄鋼、造船、自動車など、大きな機械やインフラをつくる工業分野のこと。東アジアでは、戦後の復興期や高度成長期にこの分野が急成長しました。
トヨタ、ホンダ、日産などが有名で、自動車輸出大国として長年世界をリードしてきました。かつては造船でも世界トップシェアを誇り、今でも部品や工作機械では圧倒的な技術力があります。
ヒュンダイや現代重工業などが代表的で、特に造船・自動車・鉄鋼の分野に強みがあります。政府主導の財閥型経済で、輸出向けの産業が高度に集中しています。
スマートフォン、半導体、液晶ディスプレイなど、現代生活に欠かせない電子機器。これらの生産拠点が集中しているのも東アジアの大きな特徴なんです。
TSMC(台湾積体電路製造)は世界有数の半導体製造企業で、世界中のハイテク企業が台湾の技術に依存しています。台湾は電子部品のサプライチェーンの要なんです。
サムスンやLGは、スマホやテレビ、冷蔵庫などでおなじみ。韓国は製品企画から部品製造、完成品までを国内で完結できる体制を整えています。
服や雑貨、日用品などをつくる「軽工業」も、都市部の周辺や新興地域でさかんに行われています。特に中国沿岸部では、これが経済発展の足がかりとなりました。
広東省や浙江省などの沿岸地域では、Tシャツ、靴、おもちゃなどを大量に生産してきました。「安く早く大量に作れる」ことが強みで、海外ブランドのOEM生産も多数。
人件費の上昇や環境規制の影響で、軽工業は内陸部や周辺国(東南アジア)へと移りつつあります。工業地帯もどんどん多極化してきているんですね。
AI、ロボット、再生可能エネルギー、バイオテクノロジーなど、これからの産業を担う先端分野でも、東アジアは存在感を高めています。
精密機械、工業用ロボット、化学素材などの分野では日本が圧倒的。海外のハイテク製品にも、日本の部品や材料が不可欠というケースは少なくありません。
「中国製造2025」の政策により、AIやEV(電気自動車)、宇宙開発などへの投資が加速中。ハードだけでなくソフトやプラットフォーム面でも世界市場への参入を強めています。
東アジアの工業は、「なんでも作れる地域」へと進化してきました。それぞれの国が重工業・電子・軽工業・先端技術という分野で特色を出して、相互に補い合いながら成長しています。これからの時代、「東アジアの工業」はますますグローバル経済のカギを握る存在になりそうですね。