中東経済の問題点とは?格差・資源依存・社会不安etc…

中東って石油でめちゃくちゃお金持ちのイメージ、ありますよね?でも実は、それは地域の一部の話。結論からいってしまえば、中東経済は「資源に偏った富」と「広がる格差」が生む社会不安という、構造的な問題を抱えているんです。この記事では、そんな中東の経済的な問題点を、「格差」「資源依存」「雇用・社会不安」などのテーマに分けて整理してみましょう。

 

 

1. 富の偏りと国内格差

中東の最大の特徴といえば「石油」。でも、その石油の恩恵をすべての国やすべての人が等しく受けているわけじゃないんです。この偏りが地域内の大きな格差を生んでいます。

 

湾岸諸国とその他の国の落差

サウジアラビア、UAE、カタールなどの湾岸諸国は、石油収入で巨大インフラと近代都市を築き上げました。一方で、イエメン、シリア、イラクなどは経済的に苦しい状況が続いています。

 

国内でも格差が広がる

豊かな国の中でも、王族・特権階級と一般市民の間に大きな所得格差が存在します。特に外国人労働者は低賃金で過酷な労働を強いられているケースも多いんです。

 

2. 資源依存経済のリスク

石油や天然ガスは中東にとって大きな収入源。でも、それに経済のほぼすべてを頼っている構造は、とても不安定なんです。

 

「脱石油」が進まない現実

石油価格が下がるたびに国家予算が赤字化するなど、経済の変動リスクが大きい。近年では観光・ハイテク・再エネへの転換を試みてはいますが、まだ大きな転換には至っていません。

 

資源がない国は苦戦

レバノン、ヨルダン、パレスチナなどは、そもそも石油資源に乏しく、労働者の出稼ぎ・海外送金・外国援助に頼らざるを得ない経済構造になっています。

 

3. 若年層の失業と社会の不満

中東は若者人口が非常に多い地域。でも、その若者たちが十分に働ける場所がないというのが、最大の社会不安のひとつになっています。

 

失業率の高さが深刻

若年層(15〜24歳)の失業率は20〜30%を超える国も珍しくありません。教育を受けても就職先がなく、「未来が見えない」と感じる若者が増えているんです。

 

アラブの春の引き金もここに

2010年代に起きたアラブの春の背景には、高学歴なのに職がない若者の不満がありました。経済成長があっても、それが人々に届いていなければ、社会の安定にはつながらないんです。

 

4. 国際制裁・紛争が経済を直撃

中東には政治的に不安定な国も多く、戦争や経済制裁が経済に直接ダメージを与えています。これはその国だけでなく、周辺国にも影響を及ぼすんです。

 

イラン制裁と経済の締めつけ

アメリカによる経済制裁は、イランの金融・輸出入・エネルギーに大きな影響を与えていて、インフレや失業が慢性化しています。民間企業も苦境に立たされています。

 

戦争・難民による人的損失

シリアやイエメンのような内戦状態の国では、インフラの崩壊、労働力の流出、国際投資の撤退などで経済活動そのものがストップ。難民となった人々が周辺国の経済にも圧力をかけています。

 

中東経済の問題は、「石油があるから大丈夫」では済まされない、格差・依存・若者の不満・政治の不安定といった深い課題が絡み合っています。経済成長そのものではなく、それが誰にどう届いているのかが、これからの中東を読み解くカギになりそうですね。