
東アジアの農業って、お米のイメージが強いかもしれませんが、それだけじゃないんです。山あり川あり乾燥地ありの東アジアでは、場所によって全く違うスタイルの農業が発達してきたんですよ。結論からいってしまえば、東アジアでは「水田稲作」「畑作」「遊牧」「施設園芸」など多様な農業形態が、それぞれの自然環境に応じて展開されているんです。この記事では、それぞれの農業スタイルとその特徴を紹介していきます!
東アジアの農業を語るうえで欠かせないのが水田での稲作。雨が多く、川の流域が豊かな地域では、昔から水を利用した稲作文化が定着してきました。
中国南部、日本、韓国、ベトナム北部など、夏に雨が集中する地域では稲作が最適。二期作(三期作)も可能な場所では、年に2〜3回の収穫もあります。
田植え・除草・収穫まで人手が多く必要ですが、そのぶん収量も安定しています。家族総出の農作業や、棚田などの風景は、こうした文化の表れでもあります。
水が少なかったり寒冷だったりする地域では、水田ではなく畑作(小麦・とうもろこし・大豆など)や果樹の栽培が中心になります。
黄河流域や山東省、朝鮮半島中北部では、小麦や大麦などの畑作が中心。乾燥した冬に強く、春にまとめて成長する作物が多く選ばれています。
リンゴ、梨、ブドウ、柿、白菜、ニンニクなど、地域の気候や土壌に応じて特色ある作物が育てられています。特に中国の果物生産は世界的にも大きなシェアを持っています。
東アジアの内陸部には、水も少なく気温差が激しい地域があります。そんな場所では家畜を連れて移動する「遊牧」や、畑作と家畜飼育を組み合わせた暮らしが営まれてきました。
羊、ヤギ、牛、ラクダなどを季節によって移動させながら育てる遊牧スタイル。肉や乳製品を食生活の中心にし、ゲル(移動式住居)などもこの文化から生まれました。
畑で小麦やとうもろこしを育てつつ、牛や羊も飼育する複合型の農業が見られます。土地が痩せていることもあり、効率的な資源利用が重要です。
近年は都市部の需要や気候変動にも対応するため、ハウス栽培やスマート農業など、新しい形の農業も登場しています。
韓国、日本、中国の都市周辺では、ハウスを使ってキュウリ、トマト、イチゴなどを一年中育てています。市場やスーパーへの直販が多く、輸送距離も短くてすみます。
ドローン、センサー、AI管理などの技術を使い、少人数で効率よく作物を育てるスタイルも登場。環境保全と収益の両立が期待されています。
東アジアの農業って、お米だけじゃないんです。地域ごとの気候や地形に合わせて、水田、畑作、遊牧、ハウス栽培と、実に多彩な農業スタイルが広がっています。自然と共に工夫しながら育まれてきたその姿は、ただの生産活動を超えて、文化そのものとも言えるかもしれませんね。