「東南アジア」の定義とは…どこからどこまでの地域なの?

東南アジアって、地図で見たときに「ここも入るの?」って迷うことありませんか?アジアの南の方ってことでざっくりイメージされがちですが、実はちゃんと定義があるんです。結論からいってしまえば、「東南アジア」とはインドと中国の間に位置する11か国からなる地域で、地理・文化・歴史のつながりからひとつの枠として捉えられているんです。この記事では、その範囲、特徴、そしてなぜ「ひとまとめ」にされるのかを見ていきます!

 

 

どの国が「東南アジア」に入るの?

東南アジア諸国の位置を示す地図

東南アジア諸国の位置を示す地図

出典:Abhijitsathe / Public domainより

 

まずははっきりと「東南アジアを構成する国」を押さえておきましょう。これは国際的にもほぼ共通で、11か国が含まれるとされています。

 

ASEAN加盟の11か国が基本


フィリピン

ブルネイ

ベトナム

マレーシア

ミャンマー

ラオス

東ティモール

インドネシア

カンボジア

シンガポール

タイ

 

東南アジアに含まれるのは、この11カ国。さらにこの中でASEAN(東南アジア諸国連合)に加盟している10か国が中心。東ティモールも2022年から加盟準備中で、すでに東南アジア枠に含まれています。

 

地理的には「インドと中国の間+島しょ部」

インドシナ半島とマレー諸島を含み、南はオーストラリア近く、北は中国国境までという広範囲。海に囲まれていて、多くの国が島国または海洋国家なのも特徴です。

 

なぜこの地域が「ひとまとめ」になるのか?

カンボジア・プノンペンの独立記念塔

カンボジア・プノンペンの独立記念塔
1953年、フランスからの独立を記念して建てられたカンボジア独立の象徴

出典:Photo by nX / CC BY-SA 4.0より

 

国の数も多くて文化もバラバラなのに、どうして「東南アジア」という一括りが成立するんでしょう?そこには歴史と地政学的な背景があります。

 

交易と文明の通り道だった

東南アジアは、古代から中世にかけて、インド・中東・中国を結ぶ海上ルートの中継地点だったため、外来文化と土着文化が融合しやすかったんです。この地理的な「真ん中感」が、地域の一体感を生みました。

 

植民地支配の共通体験

東南アジアには、ほとんどの国が欧米列強の植民地だったという共通点もあります。宗主国はバラバラでも、「独立と復興を目指した20世紀の歩み」は各国に似た部分が多いんです。

 

「南アジア」「東アジア」との違いは?

「東南アジア」って名前だけ聞くと「東アジアと南アジアのあいだ」ってこと?…実はそれ、けっこう当たってます。

 

東アジアとの違い:中華文明との距離

東アジア(中国・日本・韓国など)ほど儒教・漢字文化の影響は強くないですが、ベトナムなど一部は中国文化の影響を大きく受けています。東南アジアの多様性の一因ですね。

 

南アジアとの違い:インド文化の広がり方

インドの影響(ヒンドゥー・仏教・文字)は東南アジアにも届いていますが、イスラム教やキリスト教など、他の文化との融合が進んでいて、インドよりもずっと多文化的です。

 

こんな感じで、東南アジアは、地理的にも歴史的にも、アジアの交差点みたいな場所。だからこそ11か国それぞれ違いはあるけれど、「この地域ならではの一体感」もちゃんとあるんです。地図の上では見えない、文化や歴史のつながりを意識してみると、東南アジアという言葉の意味がぐっと深まりますよ。