

アジアの国の数って、実はひとことでズバッと言い切れないんです。
「アジアには何か国あるの?」と聞かれると、つい数字を答えたくなりますが、そこがこのテーマのちょっと面白いところ。
というのも、どこまでをアジアに含めるかという線引きが、実は一つじゃないからなんですね。
国連なのか、地域研究なのか、それともスポーツや国際大会の区分なのか。
どの立場で見るかによって、含まれる国や数が微妙に変わってきます。
地理的にはアジアに見えない国が含まれることもあれば、逆に「え、そこもアジアなの?」と感じるケースもあります。
このあたりが、アジアという地域のややこしくて、でもワクワクするポイントです。
数字だけを追うよりも、「なぜその国がアジアに含まれるのか」を考えてみると、アジアという枠組みの奥行きが、ぐっと見えてくるはずですよ。
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ヨーロッパとアジアの境界線の複数の定義を示した地図
出典:title『Possible_definitions_of_the_boundary_between_Europe_and_Asia』-by Aotearoa / CC BY-SA 3.0より
アジアの国の数は、実は数え方によって変わります。
ただし、国際的にもっともよく使われる基準にもとづけば、ひとまずの目安はここです。
国連加盟国と国連の地域区分を基準にした場合、アジアの国の数は49か国とされます。
これは、「国連に加盟しているかどうか」と、「国連が定めるアジア地域に含まれているか」を重ね合わせたカウント方法です。
教科書や統計資料でよく見かける数字は、だいたいこの考え方に基づいています。
では、なぜここまで数がブレてしまうのでしょうか。
理由は大きく分けて、次の3つがあります。
まず多くの人が引っかかるのが、大陸をまたいで存在する国の扱いです。
地図を見れば「ここはヨーロッパ?それともアジア?」と迷ってしまう国、ありますよね。
実際、次の国々は地理的にヨーロッパとアジアの両方にまたがるとされています。
これらを「アジアの国」としてすべて含めるかどうかで、国の数は大きく変わります。 全て含めた場合、アジアの国数は49か国とされるのが一般的です。
一方で、「政治的・文化的にはヨーロッパ寄り」と判断して、一部をヨーロッパ側に含めない場合、国の数は44〜48か国と幅が出てきます。
つまり問題は、「国境線」そのものではなく、 どの視点でアジアを定義するかという考え方の違いなんですね。
はっきり線を引けそうで、実は引けない。
このあいまいさこそが、アジアの国数を語るときの難しさであり、面白さでもあります。
次に大きく影響してくるのが、国家として承認するかどうかという問題です。
これは地理よりも、むしろ政治と国際関係の話になります。
代表的なのが、次の地域ですね。
これらは、一定の領域と統治機構、実効支配を持っている一方で、国際社会での扱いが一様ではありません。
どこまでを「国家」と認めるかは、国や機関の立場によって判断が分かれます。
国家承認の違いによって、アジアの国数は+1〜2か国変動します。
つまり、同じ地図を見ていても、政治的な前提が違えば「数え上げの結果」も変わってしまうということです。
国の数がぶれる理由が、単なる計算ミスではない。
政治と国際関係が、数字そのものに影響を与えている典型的な例だと言えるでしょう。
最後に見ておきたいのが、そもそも地域をどう区切るかという考え方です。
ここまでくると、地理というより整理のルールの話になってきます。
たとえば、こんな分け方があります。
このような区分を採用すると、「アジア」という言葉が指す範囲そのものが変わってしまいます。
つまり、国の数が変わるのは当然、というわけですね。
アジアの国数は、地図ではなく「分類のルール」によって動いています。
どこまでを一つの地域としてまとめるのか。
研究分野や目的によって、その答えは変わります。
だからこそ、「アジアは何か国?」という問いには、必ず前提となる基準がセットで必要になるのです。
アジアの国の数は「何か国」と一言で決められるものではありません。
国連基準では49か国が一般的ですが、地理、政治、地域区分の考え方次第で数字は動きます。
その揺らぎこそが、アジアという地域の複雑さと奥行きを物語っているのです。
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アジアを南、東、西、南東の地域に分けた地図
出典:title『Asian_geographical_divisions』-by Bill william compton / CC BY-SA 3.0より
アジアに含まれる国々は、とにかく数が多くてバラエティ豊か。
一気に全部を覚えようとすると、正直しんどくなりますよね。
そこでここでは、国際的にも一般的に「アジアに含まれる」とされる国々を、地域ごとに分けて整理していきます。
それぞれの地域がどんな特徴を持っているのか、ふんわりイメージできれば十分です。
大切なのは暗記ではなく、「地域ごとの違い」をつかむことです。
「このあたりは文化が近いな」「ここは歴史的につながりが深いな」
そんな感覚が、頭の片隅に残ってくれればOK。
気楽に眺めていきましょう。

東アジアの範囲
![]() 韓国 |
![]() 北朝鮮 |
![]() 台湾 |
![]() 中国 |
![]() 日本 |
![]() モンゴル |
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東アジア諸国
東アジアは、古くから中国文明の影響を強く受けてきた地域です。
漢字文化が広がり、儒教的な価値観や政治思想が、国境を越えて共有されていきました。
王朝や国家の名前は時代ごとに入れ替わってきましたが、文字や学問、統治の考え方といった文化の土台は、途切れることなく受け継がれてきたのが特徴です。
変わる部分と、変わらない部分が同時に存在していた──そんな歴史の積み重ね。
政治体制が変わっても、文化の芯が残り続けたことが、東アジアの大きな特徴です。
そして、日本もこの東アジアの一員に含まれます。
漢字や律令制度、仏教や儒教思想など、中国大陸や朝鮮半島から多くを学びつつ、それを日本なりに咀嚼し、独自の形へと発展させてきました。
共通点と個性が重なり合う地域。
それが、東アジアという世界だと言えるでしょう。

東南アジアの範囲
出典:Abhijitsathe / Public domainより
![]() フィリピン |
![]() ブルネイ |
![]() ベトナム |
![]() マレーシア |
![]() ミャンマー |
![]() ラオス |
![]() 東ティモール |
![]() インドネシア |
![]() カンボジア |
![]() シンガポール |
![]() タイ |
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東南アジア諸国
東南アジアは、陸よりも海が主役となってきた地域です。
古くから海上交易の要所として栄え、人とモノが行き交うネットワークの中で発展してきました。
インド洋と太平洋をつなぐ位置にあり、商人や航海者が次々と立ち寄る場所。
そのたびに、新しい文化や技術、考え方が持ち込まれ、自然と溶け込んでいきます。
結果として、宗教も民族も言語も、驚くほど多様な世界が形づくられました。
東南アジアでは、「混ざり合うこと」そのものが社会の前提になってきました。
仏教、イスラム教、キリスト教、そして土着の信仰。
どれか一つに統一されるのではなく、場所ごとに独特のバランスで共存しています。
違いを排除するより、うまく取り込む。
そんな柔軟さが、東南アジアの歴史と文化を支えてきたと言えるでしょう。

南アジアの範囲
出典:title『Map_of_South_Asia』-by Cacahuate / CC BY-SA 3.0より
![]() インド |
![]() スリランカ |
![]() ネパール |
![]() パキスタン |
![]() バングラデシュ |
![]() ブータン |
![]() モルディブ |
![]() アフガニスタン |
南アジア諸国
南アジアは、インド亜大陸を中心に広がる、非常に独自性の強い地域です。
古代文明の誕生から現代に至るまで、外からの影響を受けつつも、自分たちの軸をしっかり保ってきました。
インダス文明に始まり、ヒンドゥー教や仏教といった思想が生まれ、社会の仕組みそのものに深く根づいていきます。
宗教は単なる信仰にとどまらず、生活習慣や価値観、社会構造と強く結びついてきました。
宗教・思想・社会が一体となって形づくられてきた点が、南アジア最大の特徴です。
その影響力は地域内部に収まらず、東南アジアや東アジアへも広がっていきました。
考え方や文化の源流として、アジア全体に長く作用し続けている存在と言えるでしょう。
古さと現在が同時に息づく世界。
それが、南アジアという地域なのです。

中央アジアの範囲
出典:title『Map_of_Central_Asia』-by Cacahuate / CC BY-SA 3.0より
![]() ウズベキスタン |
![]() カザフスタン |
![]() キルギス |
![]() タジキスタン |
![]() トルクメニスタン |
中央アジア諸国
中央アジアは、ユーラシア大陸のちょうど中心部に広がる内陸の世界です。
海に面していない分、人と人をつないできたのは、草原を横切る道と移動そのものでした。
広大なステップ地帯では遊牧文化が発達し、馬とともに生きる暮らしが社会の基盤になります。
同時に、この地域は東西を結ぶ交易路の要衝でもあり、多くの商人や使節が行き交いました。
定住と移動が交差する、不思議なバランスの地域です。
中央アジアは「通り過ぎる場所」でありながら、常に歴史の中心にありました。
シルクロードを通じて運ばれたのは、絹や香辛料だけではありません。
宗教、技術、思想までもがここを経由し、世界へと広がっていきました。
表舞台に出ることは少なくても、歴史を動かす力を内に秘めてきた地域。
それが、中央アジア諸国なのです。

西アジアの範囲
出典:title『Western_Asia』-by Unknown author/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0より
![]() アラブ首長国連邦 |
![]() イエメン |
![]() イラン |
![]() イスラエル |
![]() イラク |
![]() オマーン |
![]() カタール |
![]() クウェート |
![]() サウジアラビア |
![]() シリア |
![]() レバノン |
![]() パレスチナ |
![]() バーレーン |
![]() ヨルダン |
西アジア(中東)諸国
西アジアというよりも、「中東」という呼び方のほうが、耳なじみがあるかもしれませんね。
ニュースや国際情勢で登場することも多く、名前だけは知っている、という人も多い地域です。
このエリアは、メソポタミア文明をはじめとする古代文明の発祥地であり、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教という一神教が生まれた場所でもあります。
人類史の根っこに近い、とても重みのある地域なんです。
西アジアは、文明・宗教・政治が交差する、世界史の要所でした。
さらに地理的にも、アジア・ヨーロッパ・アフリカの三大地域が接する交差点。
交易路としても、軍事的にも、無視できないポジションにあり続けてきました。
そのため、時代を問わず国際政治の焦点になりやすいのも、この地域の特徴です。
古代から現代まで、常に世界の動きと深く結びついてきた場所。
それが、西アジア(中東)諸国なのです。
地域ごとに眺めてみると、「同じアジア」と一括りにできない理由が、自然と見えてきます。
この感覚を持っておくだけで、アジアという地域の理解はぐっと深まりますよ。
アジアってひとことで言っても、国の数も範囲も、実はかなりややこしいんです。
地図を見れば一目瞭然、と思いきや、そこに政治や歴史が重なってくると、話は一気に奥深くなります。
地理と政治のグラデーションの中に、「どこからがアジアか」という問いの面白さがあります。
はっきり線を引けそうで、引けない。
だからこそ、数え方ひとつで見え方が変わってくるんですね。
「たった1か国違うだけ」と思うかもしれませんが、その裏側には国際関係や歴史的経緯がぎゅっと詰まっています。
数字のブレは、いいかげんさではなく、世界のリアル。
そう考えると、アジアという地域がますます立体的に見えてくるはずですよ。
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